四つのエレメントと星座

占星術・占星学で使用される星座が、実際の天文学における星座と関連するということは、占星術・ 占星学に携わるひと、携わっていないひとの間で混乱を招く要素となっています。 事実、黄道帯と星座は360度の円形にしか過ぎません。 この360度を12分割したそれぞれの区間には、エレメントに関連した性質をベースに、性格的なものが割り当てられています。

昔から、この宇宙は火、風、水、地の四つのエレメントから構成されていると考えられてきました。 これを人格に当てはめると、エレメントは基本的な性格と「気質」を表すこととなりますが、ホロスコープ内でのエレメントの強弱により差も出てきます。 惑星やポイントの星座により、強調されるものが出てくるからです。 （ 「ハウスシステム」を参照）

この四つのエレメントは人生のおける基本的な四つの原理と見なされることもあります。 相似法則を 通してあらゆることに適用されていくからです。 カール・グフタフ・ユングは、これらエレメントは心の中の四つの基本的な機能に対応するものだとし、エレメント分類をタイプ論として発展させ、エレメントの現代的な理解への扉を開きました。 エレメントの強弱は、個人のホロスコープにおいて基本的な人格の側面を明らかにします。

火

火のエレメントが強調されているひとは、自発的で衝動性があり、心のま まにエネルギーを注ぎ込みます。 感情的な反応は速く、活き活きとした想像力を宿しています。

火の星座：牡羊座、獅子座、射手座

地

地のタイプのひとは物静かで穏やかです。 じっくりと待つことにも慣れて います。 感情の変化はあまりなく、変化するにもゆっくりと時間をかけます。

地の星座：山羊座、牡牛座、乙女座

風 

風のタイプのひとは活力に満ち、機敏です。 エネルギーを多種多様なこと へ注ぎます。 気持ちや今後の推測すらも合理的に処理していく傾向にあります。

風の星座：天秤座、水瓶座、双子座

水

水のエレメント要素が強いひとは、感情的なタイプで非常に繊細です。 深 く豊かな想像力と感情側面を持っています。

水の星座：蟹座、蠍座、魚座

西洋では伝統的に、五番目のエレメントである「クィンタ・エッセンチア」も考慮に入れています。 簡単に説明すると、このエレメントを人間としての魂や精神性を示すものです。 とはいえ、このエレメントは上の四つのエレメントとは別物として考えられており、ホロスコープに出てくることはありません。 そのため、よく忘れられがちになります。 しかし、四つのエレメントの意味と占星術・占星学におけるエレメントの枠を超えたところにわたしたちを誘ってくれるものです。 一個人としての自由を示唆し、続く歴史の終わりなき生命のミステリーを彷彿とさせます。  

エレメントの状態またはクオリティ 

四つのエレメントの状態またはクオリティは三つに分類され、その分類は活動（カーディナル）、不 動（フィックスド）、柔軟（ミュータブル）に分かれます。 化学的な要素も様々な状態に変化しますが、ここでは例として水の物理的状態を考えてみましょう。 水は、通常の状態だと液状です。 占星術・占星学的には、これが活動に当たります。 凍ると塊になります。 占星術・占星学的に、これが不動の状態に対応します。 そこに熱を加えると、蒸気となっていきます。 占星術・占星学ではこれが柔軟に相当します。 個人のホロスコープでは、惑星が位置する活動・不動・柔軟の星座により、個人の性格の基本的な側面が表現されます。

活動宮（カーディナル）

活動の星座を多く持つひとは、物事を牽引し、明確化していきたいという 志を持っています。 先導者として自身の目的に向かっていくひとです。

活動星座：牡羊座、天秤座、蟹座、山羊座

不動宮（フィックスド）

不動の星座を多く持つひとは、すでに存在しているものの上にいろいろと 構築を続け、より良い方法で組織立てていこうという思いを持っています。 「現状」を維持し、与えられた環境に対応するように努めます。

不動星座：獅子座、水瓶座、蠍座、牡牛座

柔軟宮（ミュータブル）

柔軟の星座を多く持つひとは、変化と一新のチャンスを求めています。 彼 らにとって、既存のものを新しいものに変えるのは容易いことであり、いろいろな展開に合わせることも簡単なことです。

柔軟星座：射手座、双子座、魚座、乙女座